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理事長あいさつ

 私たち一般財団法人救急振興財団(FASD)は、プレホスピタル・ケア(病院への到着前の医療)の充実を目的とした救急救命士法を受けて設立され、消防機関における救急救命士の養成、救急に関する調査研究、地方公共団体が行う応急手当の普及啓発支援等の業務を行っています。
 
 昨今の社会情勢においては、高齢化の進展、新型コロナウィルス感染症の流行や大規模自然災害の頻発等により、救急業務を取り巻く環境が大きく変化しております。このような状況下において、救急自動車による全国の救急出動件数は、近年増加傾向であり、今後さらに増大する可能性が高まっています。
 
 また、救急業務の高度化に伴い、国において、すべての救急隊に救急救命士が少なくとも1人配置される体制を目標に、救急救命士の養成と運用体制の整備が推進されおり、これまで以上に「高度な知識、技能」、「プロフェッショナルな実践力」、「救急救命士としての精神・心」を兼ね備えた救急救命士の養成が求められています。
 
 当財団では、消防機関における救急救命士を養成するために、八王子市と北九州市の2箇所に研修所を設置し、全国の消防機関から研修生を受け入れており、研修生は寝食を共にし、絆を深めつつ研修に取り組んでいます。両研修所の卒業生で国家試験に合格した者はこれまで累計2万3千人を超えており、卒業生は地元の消防本部での活躍はもちろんのこと、そのネットワークは全国に広がっています。
 
 さらに、救急現場で活躍する全ての救急隊員を対象とし、日頃の研究成果を発表する場として「全国救急隊員シンポジウム」の開催等を通じて、その知識及び技能の長期的かつ継続的なレベルアップを図っています。
 
 このほか、救命率向上の観点から不可欠である応急手当の普及啓発のため、JRC蘇生ガイドラインに対応した「応急手当講習テキスト・DVD」を制作するなど、引き続き市民の間に応急手当の知識と技術を幅広く普及するための支援を行ってまいります。
 
 当財団は、今後とも、国、地方公共団体及び関係機関の幅広い意見や課題、ニーズを十分踏まえ、地方共同の研修機関として求められる役割を果たし、さらなる努力を重ねてまいります。

一般財団法人 救急振興財団
理事長 佐々木 敦朗
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